開演前:『アナウンス』
【アナウンス】 ご来場のみなさまに申し上げます。 本日は紹介劇『スペリアル・サガ紹介劇場2』公演にご来場いただき、まことにありがとうございます。 開演に先立ち、みなさまにご案内申し上げます。 本公演の登場人物、 サンテルクロス国サイドの登場人物がこれから、 自分たちの出身地の特殊技術である詩魔法の紹介をそれぞれの立場から舞台挨拶と共にお伝えします。 舞台挨拶順は真面目バージョンと同様ですが、挨拶後も舞台に残ってもらい、出演者の方々は協力し合いながら詩魔法と自分たちの持つ力の魅力をお伝えしていくことになります。 登場人物たちの舞台挨拶順を紹介します。 1人目:シェル・エグゼウス 2人目:レオ・ウルワッカ 3人目:ユディル・エグゼウス 4人目:シュライク・シュダークス 5人目:レイルン・サン 6人目:シオン・ディオン 7人目:エターナ・グラント王 8人目:パーム・グラント王妃 9人目:リンガ・エグゼウス 残る役:サンテルクロス軍の紹介 の順番で一人一人舞台上に上がり、徐々に集まりながら挨拶をしていただきます。 それでは間もなく開演となります。 ご着席になり、しばらくお待ちください。
ウー:さぁ、始まるわよ「サンテルクロスと言えば詩魔法!」ということで自己紹介ならぬ国家挙げての地域興しアピール大作戦! サー:早い話が「オレたちの住む場所は埼玉や群馬や岐阜じゃねぇーー」
ウー:ーーその県民ネタのくだりもういいから!! ◀【岐阜の怒りカノン】 サー:岐阜と言えば鵜飼(うかい)がありまぁ〜す!!
【アナウンス】 ピンポーン。 その通りです。 そこの二人、その調子で舞台挨拶にも火や油を注ぐことに期待しています。 今回もネタバレを挟まないように。 ただし、前の舞台挨拶よりは羽目を外して良いです。
双子:キタ、キタ。。。ボクたちの得意なヤジがようやく発揮できる! ウー:さぁ、また照明が消えたわよ。 サー:からの〜、舞台にスポットライト!! ウー:からの〜、サンテルクロスのみんなの登場よ!! はい、お客のみなさん拍手の準備!!
【アナウンス】 お待たせしました。 役者は揃いました。 シェルから壇上に上がってもらい、詩魔法の基礎や魅力を紹介してもらい、そこにノートリー兄妹たちのツッコミを挟みながら紹介を進めていきます。 それではみなさま、 紹介劇『サンテルクロス国サイド』 どうぞごゆっくりお楽しみください。
【開演前ベル】 ting-ting-ting-ting-ting... ting-ting-ting-ting-ting... ting-ting-ting-ting-ting...
舞台挨拶『サンテルクロス国』の地域アピールタイム
ナビ:ときは始鳥大陸歴996年。場所はエルフレアの中心地サンテルクロス。この地に詩政治制度により国家と大陸全土をまとめる国家が存在しました。 (番号①の白い部分) そこに生きる人々を大陸全土の民はこう呼んでいましたーー
ナビ:ーー始鳥心人、あるいはサンテルクロスの民と。 観客:パチパチパチパチ!(拍手
ナビ:サンテルクロス国の国旗ドーン!!
ナビ:サンテルクロス国生まれ、リーンバウム育ち。小さな頃から偉大なる詩魔法使いであるユディルの娘として厳しい詩魔法の教育を受けて育った一人の女性がいました。 物心付く前から詩魔法の勉強と訓練を徹底的に教え込まれ、その知識と技術は立派なスペリアルクラスであり、教え上手として後の大地のスペリアル、若き日のドルバリエーチェにも詩魔法の基礎を教えた経験もあります。 今回、詩魔法の基礎を教えてくれる第1の先生となるのがーー
ナビ:ーー本作の主人公シェル・エグゼウスです。それでは舞台の前にお進みください。 双子:パチパチパチパチ!! 観客:パチパチパチパチ!!
さぁ、みんな! 詩による魔法の物語を読んで聴く前に、詩による魔法を覚える準備はできたかしら? 双子&観客:Yeahhhhhhhh! 双子&観客:できてるよぉ〜! シェル〜! 双子&観客:シェル! シェル! シェル! シェル! シェル! サー:シェルはすでに他国のスペリアル候補に詩魔法を教えていた経歴があるんだね。 ウー:ふぅ〜ん、25歳になる前にすでに詩魔法の先生でもあるのね。お手並み拝見といこうじゃないの。。。
ウー:詩でどうやって魔法を使おうっていうのよぉ〜。分かりやすく教えてくれるのかしら? もちろんよ。私は父から教わったしっかりとした詩魔法の基礎が頭の中に叩き込まれているわ。 まずそうね「スペリアルとは何か?」というところから始めよっか。 スペリアルとは、魔法の詩法「リリーフリー」の技術をマスターしている詩人「詩魔法使い」の上級階級に位置する者のこと。本編の中に詳しく描かれているけれど、中間審理という人類と世界滅亡を行なった詩聖ジャッジが究極の詩魔法「天使の詩」により創られた人類を祖先に持つ者たちでもあるのよ。 7種の自然を統べる始鳥に選ばれた国家のヌシ「詩護者」でもあり、お父さんやレイルン詩師を始め、あたしたちは全員先天的・後天的に類稀なる詩才と感性、その他特殊な才能を与えられているの。
サー:う〜ん、専門用語が出てきたけど、分かりやすい。シェルは教え方が上手なんだね。きっといい先生やお母さんになれるよ。 ウー:やっべぇ! アタシもそのリリーフリーってやつを覚えたいわ! サー:おい、ウーノ、君はガンダルシア側じゃなかったのか? それに一般人ではそう簡単に扱える魔法じゃないようだぞ。 シェル:いいえ、頑張れば誰でも使えるものよ。 サー:ほ、本当ですか!? ボクにも教えてください!! シェル:映画の応援上映とかになれば、みんなで歌って唱えて魔法使いになれた気分になれるってことね(テヘペロ 一同:なんじゃそりゃぁ!!
続けるわね。あたしたち、スペリアルや詩魔法使いといえばこの魔法の詩集。ハリー○ッターでいうところの杖みたいなものね。 この詩集は天使の詩の欠片であるから「天篇詩篇」(てんぺんしへん)と呼ばれているの。 これと言葉の呪文を媒体に、それぞれ個性的な魔法を唱えて実現することが可能になるのよ。 サー:うわぁ。。。詩魔法使いといえば、詩集を片手に歌って魔法を唱えて、タイトル唱えて魔法を完成させて、本が光ってバビューン!だもんね!! それって自作の詩なのですか? シェル:そうよ。天篇詩篇に予め刻まれた呪文もあるけれど、多くはその国や文化で培われた特徴や個人の個性が反映される自作の詩よ。 だから、あたしやお父さんやレイルン詩師は宇宙の光や闇、人間の心の中の光と闇を扱うことが得意だし、炎の詩人は火系やド派手な兵器、大地の詩人は土を利用した銃器や機械類、緑の詩人は動物に変身したり木々を巧みに操るといったように、国と生まれ育ちによって個性豊かに種類が別れるの。
双子:(いつかUSJとかで売ってもらえたら買いたいなぁ・・・その魔法の本・・・) サー:つまり、今回シェルたちが使う魔法は「宇宙系」の詩魔法であり、まだまだ他にも色んな魔法の使い方があるんだね。 ウー:ロマンチックね。宇宙と言えば、星に流星にブラックホールに。。。色々あるわね。
つまり、詩魔法というのは詩法と魔法の複合術のこと。 あとでお父さんかレイルン詩師が紹介するから先に伝えるわね。詩魔法は詩的思考「リリアル」を感じ取ることができる人間が使える魔法で、コスモス・クロスをリリアル文字(詩的思考文字)で書き綴ることができ、それを言葉の呪文にして万物を操る力を持っているという仕組みよ。 ちょっとややこしい用語が多くてごめんね。 でも後でちゃんと分かってスッキリするから。 ウー:ふぅ〜ん、まぁ、とにかく言葉の呪文をマスターして、魔法の詩集で色んなものを操ったり、不可能なことを可能にできちゃう人や魔法ってことは分かったわ。 たださ、それって戦闘向きじゃないわよね? だって戦闘中に詩なんて歌っていたら兵士に一瞬で殺されたり、襲い掛かられてそれどころじゃなくなるわよ。 ガンダルシア軍のみんな! 詩魔法など恐るるにたらずだわよ!! レオ:そこで俺の出番ってわけよ! ナビの彼女、英雄のアピールをしたいから、俺を舞台に上げてくれ。
ナビ:承りました。ではレオ様から詩魔法と自分たちの持つ魅力のアピールをお願いします。 客席にいてツッコミを入れるカラスか鵜(う)よ、 あぁ、その通りだ。普通、戦闘中に2〜3分時間のかかる詩魔法を発動させることは不可能だ。 この魔法の発動のことをタイトルを唱える「○○○ぇ! ○○の詩(うた)」ってシェルたちは言うことが多いんだが、タイトルを言い終えて魔法が発動することを「彩響」(さいきょう)って言うんだ。 この彩響ってのは一度発動しちまえば、すげぇパワーで物事を叶えて状況を変える力を持っている。 だけど、逆にいうならそれ相応のリスクもあるってことだ。特に詠唱中は術者は無防備だから、文字通り魔法で周囲を彩り、その詩魔法使い特有の響きを実現させるまでが詩魔法を実戦で使う一番の見所ってわけ。 だから、スペリアルや詩魔法使いには彼らに相応しい超人的なボディーガードなる英雄が付いているってわけだ。
サー:噂によるなら英雄は一人で100人分のパワーを秘めているという。 ウー:嘘っそだぁ! そんな人間この世にいるわけーー レオ:ーーないって思うじゃん? ウー:嘘っぉ!? なんで一瞬で舞台からーー サー:ボクたちの目の前に来たのぉ〜!? レオ:これは英雄だけが持つことを許される始鳥大陸エルフレアの秘宝、魔導具の力だ。 シェル:レオの魔導具はね、フォトンって言って、30メートル以内の人や物に光の縄をくっ付けて、その場に一瞬で瞬間移動できるのよ〜。 レオ:だからな、うまく使いこなせばこうやってーー(ヒュンッ 観客:ザワザワザワザワ。。。 ウー:劇場内を目にも止まらぬ速さでピョンピョン飛び回ってるわ! サー:こ、こんな動きをしながら大陸一の槍使いというのであればーー
ーーなっ? 「守れない」っていうのも「守れそう」に変わったんじゃねぇか。いいか、詩魔法使いを守るのが英雄の仕事だ。軍事を指揮するだけじゃねぇ、不可能を可能にするお手伝いをするために守るのが俺やシュライク、英雄の目的と仕事ってわけさ。 目的と仕事ついでだ、スペリアルの職務も俺が紹介する。 スペリアルの目的は詩聖ジャッジの意志、「平和は繋がりの中にある。その繋がりに必要なものは平和と秩序である〜」から始まるあるスローガンを元に国家の平和維持活動に従事することが基本だ。 国家の生命のすべての均衡を保つ者。常に自然全体と繋がり統制を取っている。いわば自然全体の保護者であり、秩序を調和のヌシであり、共生共存社会の体現者でもあるってわけ(カンペを見ながら シェル、カンペが間に合っていないから続きを頼んだ!
はいはい、あなた、あたしの子供を一緒に育てるんだから、そろそろ字くらい読めるようになってね。 スペリアルの仕事をおさらいするわ。 1つ目は時代の声を聴き、 国家を導く助言をする詩政者としての役割。 2つ目は次代の王・英雄・ スペリアルを選ぶ選定者としての役割。 3つ目は王の夢解きを行い、 国家の運命を予言する予言者としての役割。 4つ目は詩と詩魔法により国家を守り、 争いを止める調停者としての役割。 5つ目はその次代のスペリアルを詩人から育て、 探し出す後継者としての役割。 以上の5つがスペリアルの仕事のすべてよ。 あたしもお父さんやレイルン詩師の後を継ぐならこういう仕事が待っているのよね。
ウー:説明はよく分かったけど、一つ言わせてもらっていいかしら? こんな仕事、詩人だの詩だのをうさんくさがったり信じない現代人からしてみたら「そんなアホな!」とか「こんなルールに従ってられるか!」ってなるわよ。 そりゃガンダルシアも詩政治制度を放棄して、サンテルクロスを滅ぼそうとするわけよ。 サー:フィクションだからこそ、現実にはあり得ないロマンを広げるのが醍醐味なんだろう!? ましてや本編はあり得ないような展開や文体による魔法でビックリするんだ。 それくらい受け入れろよな! ウー:バカみたいに詩人推しして、何が詩魔法よ? 怪しいにもほどがあるわ。そんなに凄いのなら見せられるものなら見せてみなさいよ! ユディル:ほぉ、言うではないか。それでは見せてやろうか? サー:。。。あっ。 ウー:やばっ。。。 観客:ザワザワザワザワ。。。
では、続きましてユディル様、詩魔法と自分たちの持つ魅力のアピールをお願いします。
論より証拠よ。 ガタガタ言わずに詩魔法を唱えて見せてやる。 双子&観客:おぉおぉぉおぉぉおぉぉぉ!! サー:え、今、ここで? 観客:ユディル! ユディル! ウー:。。。あぁ、ユディル様! 違うの、アタシはねーー ユディル:ーー黙れ。見たいという要望に応えて見せてやるだけだ。ちょうど良い。劇場の暗闇を利用してわしの詩魔法を披露しながらシュライクと共に解説をしてやる。 双子&観客:いえぇえぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇい!!! サー:うぉぉ! 幾らお金を払っても見れない&できないことを今から見せてくれるってさ!!
ミステリアスなる宇宙を彩る ダークマターと一際違う 瞬間、瞬間、膨張している 宇宙の果てへとこの謎は飛ぶ 加速度的にも銀河を遠ざけ続けるダークエネルギー この世で見えるは4パーセントで 残りの96パーセント これらは闇から埋められしもので 力はどこから湧き上がるのか 誰にも何にも解明できない事実を含んで立ち塞がって 銀河を跨いで拡散し続け 我らの体を常に覆って 蹂躙乱舞の闇へと問うよう 私は彼らに理解を示す 闇なる力が私の内から湧いてる心地がしてるから
ナビ:この間にシュライク様、詩魔法と自分たちの持つ魅力のアピールをお願いします。 おぉう!! 上でユディルが唱えているが詩魔法だ。 時間にして約50秒の上の9行に及ぶ詩魔法の詠唱時間を確保するのが俺様の仕事。それが英雄の役割だ。 この間、ガンダルシア国の兵士共は死に物狂いで襲いかかってくるから、それを徹底的にぶちのめして、叩き倒して、殴り殺して妨害するのが俺様のやり方だな! ちなみにだ、上の9行は第1法連と言って、今回唱える詩魔法は全部で第3法連まである。長さにして大体2分から3分が詩魔法の基本的な長さだ。最後の連を最終法連と呼ぶんだ。 大詩魔法となると4分ほどの長さになるが、俺は生まれてこのかた、ユディルの詠唱を守れなかったことは一度もねぇ! 一度たりともだ!! じゃ、続きを聴いて周りの変化に気付きな!
宇宙誕生の神秘を握った この種のパワーを知ってくことは 人間自身が生まれた起源を 知ってることにも繋がってるが 一体我らはどこから生まれてどこへと向かった生き物かって 謎めきときめく銀河の因果を 紐解く鍵なる闇へと叫ぶ 一体私はどうして生まれて 何して生きてくべきかについて 解明でき得る限りの力で暗闇に問うて己に求む 天地開闢の秘密の詰まった ダークマターやエネルギーが 答えを知るなら心に問うかな そこから闇夜を広げてこうか 我らはどうして心に光と闇持ち生きてる者なのか
サー:はい、飛ばし読みしているそこの君! 本編ではちゃんと声が付いて流れるように読み聞かせていくから安心してねーー ウー:ーーていうか、サー坊、ユディルが持っている詩集から黒銀色した粒子が巻き上がって劇場一帯を覆っていくわよ。。。 サー:あれが詩粒子だよ! 魔法がこれからかけられていきますよの証拠のキラキラエフェクトが視覚的に表現されてーー ウー:ーーいくのは分かったわ! なんか劇場の暗闇がぞわぞわし始めて、アタシたちを包み込んで、この世から消していく気配がプンプン伝わってくるっての! やばいってこれ!! 誰のせいよ!? サー:おまえがユディルを挑発したせいじゃないか!! 詩魔法をバカにする奴は大概こうやって死んでいくんだよぉ!! ウー:タダで死ぬわけにはいくかっつ〜の! お客のみなさん、舞台に上がってユディルの詩魔法を食い止めなさい!!。そうしないとマジで舞台挨拶がメチャクチャになるわよ!! 観客:うわぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁ!! ボゴォ〜ン!! サー:。。。な、なんだ。この派手な爆発音は。。。 バゴォ〜ン!! ウー:シ、シュライクがお客さんをぶん殴って吹き飛ばしているのよ! チュドォ〜ン!! 観客:ブハァ! 観客:ゲハァ! 観客:ブベラァ!
見えるかぁ? いつもこんな調子で戦うんだ。 殴ってぶっとばして、蹴ってぶっとばして、暴れて吹き飛ばす。そんでユディルに近付けさせない。詠唱時間を確保ってやつだ。 なっ? これで英雄の重要性ってやつがよく分かっただろう? 詠唱守護団スペルマダーの奴らもこういう仕事を専門にしているが、やっぱり最後は英雄がスペリアルを守らねぇとなぁ。 ほら、また来やがった! あぁ、紹介か。俺様の魔導具はガントレアと言ってなぁ〜 この流体金属を今度は脚から腕に流して固めてぇーー はいバゴォ〜ン!!とぶん殴って〜 ユディルを最後まで気持ちよく歌わせるのが俺様の存在意義だぁ〜。 そんじゃぁ、最終法連にいけぇ〜、 ユディル〜。
世界に新たな扉を開ける 宇宙の真理を探求してく そこから生まれる究極的なる 答えを光と闇から掴む 根本的かつ現実的たる未来を統べ得る技法を探る 暗黒の中に深淵を見たり 万物操る神秘に至り 魑魅魍魎すら従えるほどの 遥かな力を闇から得たり 九十六パーセントの中へとこの手を差し伸べ人智を超えて 私は心の命じた通りに 不可思議な場所に力を見たり 次元の狭間に埋もれし兵士よ 跳梁跋扈し闇に踊れよ 邪魔立てする者すべてを蹴散らす力を我が手に宿すまで
最終法連詠唱完了、一歩も動けぬ事態を理解。百ものお客の兵らは全員、闇から未知なる化け物見たり。魑魅魍魎すら従えるほどの魔力を誇ったこの人物を、敵へと回した自分の愚かさ最初で最後に知ってった。
んだんだぁ。 大体、最終法連を読み終えたら上みたいな説明と状況整理が同時進行していく。 んで、もうちょい魔法についてアレコレしてから、術者がタイトルを唱えて詩魔法がドン!ってなるからよく見てな。
そう言いユディルは闇より生まれし化け物操る最後の言葉、詩による魔法のタイトル唱えて客たちに向けて憎悪を込めてーー
ーー喰い尽くせ、闇の詩 双子&観客:ギャアァァアァァァアァァァァ!! サー:これがーー ウー:ーー詩魔法。。。 観客:キャアァァアァァァアァァァァ!! ナビ:詩魔法彩響、劇場内へと突撃して来た客の端から、ダークマターの中へと消し去る化け物を使い脅しの開始。叫びが木霊す周囲の客らを材料にしては観客たちに、お詫びを吐かせる猶予を与えて一人、一人と消し去ってくがーー ウー:ーーお客様が次々と暗闇の中から現れる化け物に呑み込まれていくわぁ! 双子&観客:助けてくれぇえぇぇえぇぇぇ!!! ユディル:ーー見たが最期。特にわしやシェルの詩魔法はこのように手加減せぬから、おまえら目をかっぽじってよく見て死んでいけ! 特にガンダルシアの雑兵共が! 双子&観客:いえぇえぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇい!!! サー:いぇえぇぇ〜じゃねぇよ! お客さん、3分の2がユディルの詩魔法でこの世から消え去ったよ!? シュライク:アピールは大成功だな! ユディル:うむ。まぁ、こんな感じで100人以上を一度に消し去ることも可能であると証明はした。これでも詩魔法を怪しんだり、凄くはないと言うのか? 双子:。。。も、もう一生疑いません。 すいませんでした。。。 ウー:。。。と、ところでどうすんのよ。。。お客様が3分の2減っちゃって、舞台挨拶どころじゃなくなったわよ。。。 サー:そんなの知るかよ。。。こんなの人間の技じゃないし。。。 シェル:大丈夫よ、ここにはさっき返歌を唱えていたレイルン詩師がいるから。
ーー救い出せ、次元の詩 双子&観客:うわぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁ!! サー:さっき闇に呑まれたお客さんがーー ウー:ーー光の扉から戻ってきた。。。 双子&観客:おぉおぉぉおぉぉおぉぉぉ!! ウー:レイルンの詩魔法でみんな助かったわ! 観客:レイルン! レイルン! ナビ:助かりました。続きましてレイルン様、詩魔法と自分たちの持つ魅力のアピールをお願いします。 レイルン:はい。詩魔法がこのように野蛮なものだけではないとアピールしないと、これからスペリアル・サガを体験してくださるお客様たちに顔向けできません。 サー:レイルン様、さっきシェルが言っていた「返歌」というのでボクたちは救われたのでしょうか? レイルン:その通りです。返歌は「詩闘」における重要技術。相手の詩魔法に対して、法連の合間に自分も詩魔法を唱え、相手の術に対してこちらも術で応じる技なのです。 ウー:その詩闘というのはなんなの? レイルン:詩闘とは詩による魔法同士で戦うことです。言わば詩魔法バトルです。 双子&観客:おぉおぉぉおぉぉおぉぉぉ!!
サー:そ、それは本編でも繰り広げられるのでしょうか?(男心がくすぶられる それはネタバレに抵触するから言えないですわね。 それでは、私からはシェルやユディルとはまた違った角度から詩魔法の基礎と魅力のアピールをさせていただきます。 そうですねぇ、何事も基礎が重要ですから、私からはシェルに続き「詩魔法の基礎の続き」をお伝えします。 詩魔法とは詩法と魔法の複合術であることはもうお伝えしましたね。 詩魔法とは言葉に宿る霊力「言霊」(ことだま)を自由に扱い、万物に宿る「リリー」を自在に操ることが可能となる魔法の歌のことです。 後に私の弟子であるシオンがどれだけ魔法の習得しているのかの確認のために、「リリーフリー」について自分で紹介してもらいますが、基本、リリーフリーをマスターした者のみが書き綴ることができる呪文を詠唱することで使うことができる技術が詩による魔法なのです。いわば科学と同じ原理です。 平和、あるいは破滅を叶える究極の詩魔法「天使の詩」まで至るところが全スペリアルの共通目標なのですが、私もユディルですらもがまだそこまでは辿り着けていません。 さて、ここから詩魔法の種類について紹介させていただきますわね。
うっひょ〜、さすが詩師と言われるだけあるわ。アタシ、レイルンのことも応援したくなってきたわ! 。。。ん、となるとガンダルシア派からサンテルクロス派になっちゃうわね。。。 サーチ、あなたはどうすんのよ?
タタッ!!
こ。。。この犬めが! ユディル様とレイルンの詩魔法を見て完全に寝返ったわね!
あれ見るとなぁ。。。本当に一人で100人くらい一気に相手にできるし。。。 シュライクやレオがいるっていうのが決定打だにゃぁ。 ウーノもこっちにこいよ。
アタシはこの位置から固定されて動けないのよ。 画像だって全部左向きのしか用意されていないわよ!!
そう悲しまないでください。 自らに与えられた運命と生来持つ宿命には逆らえません。 これはさながら私とユディルの関係性のようですわね。 うふふ。 ウー:分かりましたよぉ。。。受け入れるわよぉ。。。それじゃぁ、詩魔法の種類について紹介してよぉ〜。 はい。 詩魔法の種類は簡単に分類すると3種類に分けられます。 1種類目は物歌。「ブッカ」と呼びます。 2種類目は地歌。「チィカ」と呼びます。 3種類目は心歌。「シンカ」と呼びます。 この3種類です。 物歌は人間が製造した人工物に宿るリリーを彩響する種類の詩魔法のことです。 地歌は木・火・土・風・水などの自然要素に宿るリリーを彩響する種類の詩魔法のことです。 心歌は人の心や魂に宿るリリーを彩響する種類の詩魔法のことです。 物質と自然と人の心を自由に自在に操れるというととても分かりやすいと思います。 詩魔法使いのタイプによって得て不得手はありますが、サンテルクロスの光と闇の詩魔法使いは心歌まで扱えるというのが大きな特徴ですね。 逆に地歌を扱うのは苦手であります。
へぇ〜、なんだか今日1日で凄く賢くなった気がするぞ! レイルン様、詩魔法使いの目的はさっきシェルから教わりましたが、詩魔法そのものの目的とは何なのでしょうか?
良い質問です。 詩魔法の目的とは彩響をすることにあります。つまり「魂(リリー)に宿る可能性を解き放つ」ことが最大の目的であり存在意義であると言えますね。 人間の場合、「自己の想像力と他者の想像力との共鳴による新たなる現実の解放」が目的になります。これは共鳴魔法と呼ぶことができます。 これらを応用することにより万物に繋がり、「小宇宙(ミクロコスモス)と大宇宙(マクロコスモス)のリンク」が目的となります。これにより照応魔法と呼ぶに至ります。 「より良い想像力」を解放する想像力の実現による現実の再創造こそが詩魔法の正体であり、正しい使い道と言えることができるというわけです。 お分かりいただけたでしょうか? サー:はい! よく分かりました! つまり、すべての中に宿るリリーという魂に対し、言霊により働きかけ、操る権利を獲得するのが詩魔法の目的ということですね? あらあら、帽子の鳥さん、あなた良い詩魔法使いになれそうね。飲み込みがとても早いわ。
アタシだって負けないわよ。 (サーチが持っていた資料を広げながら 詠唱中の詩文が光り輝くのにも理由があるのよね。 あのキラキラもリリーと共鳴し、万物とリンクすることが可能になる証って書いてあるわ。
その通りです。 一般的に炎の詩人は赤く、水の詩人は青く、大地の詩人は橙や茶色く、風の詩人は黄色く、緑の詩人は緑色に輝きながら魔法を唱えます。 そして私たちサンテルクロスの詩魔法使いは光であるなら白金、闇であるなら黒銀色に輝きます。 詩文からキラキラ浮かんでくる粒子のことを「詩粒子」と呼び、詩粒子が詩魔法使いの手にする本からあらゆる物〜空間へと広がり、リリーに共鳴し、そうして始めて万物とリンクすることが可能になるのです。 こうして詩魔法の内容によって私たちは万物を自由に彩響することにより、一般的に「魔法」と呼ばれる現象を起こすことができるというわけです。
双子&観客:うおぉおぉぉおぉぉおぉぉぉ!! サー:なるほど、これが詩魔法の正体だったのか! 観客:レイルン先生! 詩師! ウー:そりゃぁ、詩師と呼ばれるわけよ。完全に詩による魔法のプロフェッサーよね。 観客:Yeahhhhhhhh! ウー:それにしても、ユディル様ってよくあんな調子でシェルにきちんと詩魔法を教えられたわね。不思議だわ(小声で サー:たぶんというか、絶対レイルン様のサポートを受けているよね。。。(ぼそぼそ レイルン:さて、この調子でサンテルクロスの魅力を弟子であるシオンからも伝えてもらおうかしら。魔法の詩法リリーフリーの紹介を私が教えた通りお客様にお伝えできるかしら?
ナビ:続きましてシオン様、詩魔法と自分たちの持つ魅力のアピールをお願いします。 あの。。。(もじもじ その。。。(こそこそ ナビ:シオン様、具合でも悪いのでしょうか。それとも休憩を挟みーー ーーあぁ、そうじゃない! 違う。違うんです。ただ。。。 ナビ:ただ。。。どうされたのでしょうか? あの、さっきからずっとサンテルクロス国の紹介ばかりをしているじゃないですか? このままじゃ、ガンダルシア国サイドの方々のアピールする時間を奪っちゃうんじゃないかなぁと思っていまして。。。
ウー:。。。あぁ、小さくて可愛いのに、お・と・なねぇ〜! 全体的な尺のこととーー サー:これから敵国になる相手のことを考えて言動しているよ。。。 優しくて、詩魔法も使えて、剣も凄くて、イケメンで。おい、天は二物も三物も与えるというわけか!! 観客:Yeahhhhhhhh! レイルン:確かにそうですねぇ、ちょっと我々が時間の取りすぎだからここは大人らしく譲るべきかしらーー
ナビ:サンテルクロス国サイドからこう申されていますが、ガンダルシア国サイドのみなさまはーー ーーいやぁ〜、 気にするな! よいぞ、よいぞ。 わしらのことは気にせんでよい。 自由に好きなだけ後編を使ってかまわん。 詩魔法についてのそれぞれの紹介をしてサンテルクロスをアピールせい!!
サー:ここに来て互いの国を思い合う展開。。。なんて胸熱なんだ。。。 さっきまで一触即発だったのに、面白いバージョンに来てみんなで記念撮影まで撮って、ボクはみんなを。。。誇りに思うよ。。。 ライン:さっきまで「ポエムで戦う(笑)」とかバカにしてすまねぇ。こんなすげぇ魔法だとは思いもよらなかったぜ(震え声 オベル:それによぉ、こんなにボリュームある設定があるってことはよぉ、どう考えても俺たちは死ぬ展開の未来が待っているようだからよぉ! ガフガリオン:なんか、戦う前から諦めの境地に達したと言いますか。。。まぁ、せいぜい抵抗をして、どうせユディルかレイルンの詩魔法でやっつけられるんですね。私たちは。 フレア、私たちの設定の分厚さは? フレア:彼らの設定資料集が10センチ以上ってところで、私たちガンダルシアは合計でも。。。2センチあるかないかってところかしら。 一同:はい、死んだ〜。わし&俺&私たち詩魔法で死ぬ運命なんだぁ〜。 あぁ〜あ。。。 ケルベル王:というわけだ。。。どうせ死ぬなら潔く死のうではないか。だから遠慮せず、サンテルクロスの紹介をわしらの尺と時間と舞台を使ってアピールしてもよいぞ。。。老い先短いもんはの、若いもんに道を譲るもんじゃ。。。
そ。。。そんな。。。 諦めるなよぉ〜!!(修造風 諦めたらそこで試合は終了ですよ?(安西風 まだ本編始まってもいないのにそりゃぁないわよぉ〜!
シオン:ケルベル様、本当に良いのですか? ケルベル王:あぁ、えぇぞ。武士に二言はないように武人に二言はない。これから後編で若きおまえのような未来のある若者は詩魔法の魅力をとくと紹介するがええ。 シオン:ガンダルシア国の方々も本当に良いのですか? 一同:どうぞ、どうぞ! 遠慮せず!! シオン:。。。あの、でもそれではガンダルシア国のアピールが。。。 ケルベル王:わしらは大人だ。そしてどうせ悪役だ。一言セリフを残して立ち去るだけで十分だから、本当に遠慮をしないで後編もお客を楽しませてくれ。のぉ、皆よ? 一同:はいぃ〜! ぃ喜んで〜!!
シオン:と言っていますが、詩師たち、どうしましょうか? ユディル:ようやく分別をわきまえたようだな。構わずサンテルクロスをアピールしようではないか。 シュライク:やっちまえよ、シオン!! シェル:そうじゃないと舞台挨拶の間が持たないわよね。ここはガンダルシア国の粋な計らいに甘えちゃおっか。 レイルン:エターナ様やパーム王妃からのお言葉もいただきたいですし、そうしましょう。 レオ:そんじゃ、シオン、後編からおまえの舞台挨拶が始まるからそのままでしっかり待機しておけ! アピってこうぜ!!
【アナウンス】 ピンポーン。 というわけで、サンテルクロス国サイドの舞台挨拶を後編に渡り続行したいと思います。 ガンダルシア国サイドの方々の分まで思う存分に詩魔法の魅力をお伝えしてください。《後編》の開幕はすぐに行います。
双子:パチパチパチパチ!! 観客:パチパチパチパチ!! 双子:頑張ってねぇ!! 観客:ザワザワザワザワ。。。 サー:いやぁ、思わぬところでーー ウー:ーー友情や親交が育まれたわね。。。なんか、プチ感動。 観客:Yeahhhhhhhh! サー:本当、ガンダルシア国は思った以上に大人だね。 ウー:時間的にもちょうどいい感じ。そろそろ後編が始まるわよ。
【アナウンス】 ご来場のみなさまに申し上げます。 間もなく《後編》の開演となります。 ご着席になり、しばらくお待ちください。
サー:はぁ〜、なんか真面目バージョンよりも和やかに進んでいい感じ〜。 ウー:本当ね。面白いバージョンだからとって、それほどネタはぶっこんでいないし、この調子で平和的に進みそうで嬉しい限りだわ。 サー:詩魔法のこともいっぱい分かって、少し賢くなれた気がするし。 ウー:よ〜し、お客様。後編にいくわよぉ〜! 観客:おぉおぉぉおぉぉぉおぉぉぉぉ!!
【開演前ベル】 ting-ting-ting-ting-ting... ting-ting-ting-ting-ting... ting-ting-ting-ting-ting...