ブレークランナー
「鏡よ、鏡――」ではじまる日々に そろそろ終わりを告げたいみたい
上から下まで誰かと比べて 右から左に何かを並べ
一面、自分の事しか映らん鏡の世界をいざ抜けん
わたしはわたしとこだわる暮らしに そろそろ誰かを入れたいみたい
空から大地へ張られた鏡へ 右手と左で何度も叩け
自分でつくった自分の世界を自分の両手でぶち壊せ
どこかのビルにも車の窓にも テレビの画面も他人の目にも
どこまでいっても映っていたのは いちばん可愛い自分の姿
全面包囲の自問と自答の無限の反射の地獄を出よう
そこから先にはどういう世界が あるっていうのが知りたいならば
天国なんかじゃなくてもいいなら 現実世界を見つめにいこう
砕けた破片が刺さっていいからこのままどこかへ出かけていこう
鏡よ、鏡よ、世界でいちばん 可愛い自分にさよならするよ
夢見たぶんだけ傷付くことさえ 恐れることなくバイバイしよう
内なる世界の鏡を破って外へと向かって今から行かん
わたしはわたしの世界を壊して 砕けた自分の欠片を浴びて
苦しい気持ちの激しい痛みを この身で受け止めこのまま耐えん
鏡の雨降る世界を駆け抜け自分の世界を突き抜けて
【voice】