雨中で飛べない一羽の蝶に
傘を差して休ませた
「この蝶の命を救った」
なんてことはもう思いはしない
すべての生き物が持つ義務を
当たり前のように真っ当しているだけ
死は確かに満ちていて
目を背けることは不可能だけど
それ以上に溢れている
多くの命も見捨ててはならない
まだ雨も止まないままに
力強く飛び立った
「あの蝶が可哀想だ」
なんてことももう考えたりもしない
傘を閉じてぼくも踊りだした
雨中を舞うあの輝ける蝶のように
【voice】