黄金に染まる秋の道 琥珀の稲穂が辺りを照らし
喜び畦を赤く彩り 映える珊瑚の彼岸花
あの葉も草もこの風さえも今でもぼくには翡翠に見える
見事なカットのトルコ石 神業広がる空の上
王は至宝の指輪をかざし 日長石の光を降らせ
余りに目映いその輝きはあらゆる命を魅了し生かし
その煌きが川を流れる 藍玉の水にも映り
山で舞い散る金緑石や 紅玉髄の紅葉を伝い
この目に射し込み反射しあって陰なき景色を内から見せる
遥かに澄んだ緑の奥は 瑪瑙の木々が辺りに並び
石音奏でる木の葉の音や 色とりどりの色鳥たちが
打音の羽を叩いて鳴いて導き標しを彩り示す
光に満ちたるこの道中を 越えて進んでゆくために
ベスブ石の角を生やした 気高き獣の背中に乗って
灯りの要らない明かりの道を光のように駆け抜けながら
求め続ける賢者の石を 探し出すため旅して回り
透輝石の大地を走り 瑠璃の海をも越えて
まだ見ぬ鉱石散らばる園を数多の光跡描いて巡る
鉄の機械を使って壊し 宝を売るため奪って逃げた
汚れた目を持つ巨人が消した 遠い故郷の景色と照らし
あの日の誓いを刻んだ石を胸に手を当て確かめ握る
傷つき凍える心を溶かす 静かに澄んだ青玉と
烈しく燃える紅玉が混ざる 夕焼け空の鋼玉
見惚れるままに丘から掴む誰にも買えない至福の時を
零れる涙の真珠に彫って 記憶の箱に大事にしまい
命の宝の重さや価値を 今日も手に入れこの世に背負い
神秘のベールが剥がれる前に軌跡を渡って家路を辿る
白銀鏤め煌き見える 黒曜石の髪の上
月長石の宝冠かぶり 優しく微笑み光で包む
清き王妃の夜空に抱かれ一人窓辺で彼方を仰ぐ
珠玉の星の原石たちの 目も眩むようなこの世界
見るもの全てが輝くさまは まさに自然の宝庫のようで
ぴかぴか輝く結晶たちをいつでも眺めていたいから
なんにも持たないこの手の中に 掴める限りの光を掴み
金剛石のこの目に射し込み 放てる限りの光を放ち
きらきら煌く綺麗な命をいついつまでもぼくは守り続けたい
【voice】