天与の導


    神の欠片のこの魂に 近付く術を知る者を
    我らは天賦の違いであるとそう愚かにも連呼する

    すべてのものに具わるはずの 時と命と等しいそれの
    無二なる個性を疑うゆえにそれは失うものなのに

    努力という名の最たる才も 慈愛に集約されると知れば
    いかな痛みも受け入れられてついには昇華を果たせるだろう


    内なる欠片のその魂の 形をしかと把握せよ
    欲するままに輪が成るままに犠牲を避けては整えよ

    堕落を極めて肉体のみに 溺れる憐れな時流を渡り
    妥協を覚えて知性に留まる世渡り上手な層をも越えて

    天使に最も近いとされる 赤子の形を蘇生したいと
    求める意識が腐敗を逃れて円なる理法を廻すのだから


    正なる生とは生来持ちうる 聖なる性を汚さぬままに
    時と命を有意に用いて天意に従うものなのだから

    人が翼に焦がれる意味や 胸に十字を切るそのわけや
    彼の名で争う不毛な定めが未来で解かれるその日を祈り

    等しく降る陽の光のように 天から伸びたるあの手を掴み
    己の成すべき大義を果たせ柵なき地平の子羊たちよ



    【voice】

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