創作の原点 《前編》

「原点」。それは物事を考えるときの出発点。
今回は竹馬タケルが物作りをするときのスタート地点を思い出してみるってさ!

原点のアーカイブ



    ウー:サーぼぉ、ちょっとそこに座りなさい。

    サー:うっ、、ウーノのハーゲンダッツを盗み食いしたのはボクだけじゃないぞ!!

    ウー:・・・・・・・・

    サー:あ、あれ、、そのことじゃなかったの?

     えぇ。そのことに関するおしおき(対戦車ライフル級のウーノライフルをケツにぶち込む)は後でするとして、今はこっちに注目してほしいの。
     そこに座って下の部屋に耳を澄ませてみて。。。


     どれどれ。。。下の部屋といえばタケルの部屋だけど、あの人の声を盗み聞きしてどうしたいのさ?


     アタシたち、この屋根裏部屋に住むことになってもうすぐ半年が経つでしょ。だからね、前よりもっとタケルのことをよく知っておくべきだなって思ったの。

     だけどタケルは自分のことを話すのが得意ではないからこうやって情報収集しているわけなのよ。


     なるほど。事情はわかった。
     なんだか楽しそうだからボクも協力するよ!


                  〜1ヶ月後〜



    サー:――ふむふむ、、よ〜するにパソコンで文章を書いたり、寝っ転がって本を読んだり、だらだらとYouTubeを見たり――

    ウー:――しょ〜もないwebサイトでゲラゲラ笑ったり、音楽やミュージカルを聞いて一緒に歌ったり踊ったり、不思議な実験や研究を続けるために――

    サー:――食べて、旅して、たまに働いてよく寝る毎日。。。

    双子これが彼の生態なの!?

    サーチ:ワンッ!!

     なんだかアタシゃ〜情けなくなってきたよ。。。
     こんなダメ人間の家に巣をつくっちまったなんて。。。


     せめてなんでこんな生態系を持つようになったのかを知る手がかりがあれば助かるんだけど。。。


     そ、それよ!
     ナイスアイディアよサーぼぉ!!

     なんだ〜、もう解決しちゃったじゃない。

     あ〜スッキリした。


     い、いやいや、、一人で納得しないでよ。
     なにをどうすればそういうことになるの?


     ウフフ。
     ヒントはアタシたちのし・ご・と。


     仕事、、、仕事ってなんだっけ。。。

     あっ!
     アーカイブ?


     その通り。
     アタシたちの仕事は二人でタケルの右脳と左脳の中をおもしろおかしく引き出すこと。
     その記憶を記録することだったはずよ。


     だから盗み聞きなんてしなくても知ろうと思えば記憶にひとっ飛びで知ることができたんだ!!


    (今頃んなってそこんところに気付くってことはお二人さん、半年間何やってたんスか。。。


     そうとわかればさっそく記憶の中に飛んでなんであんな習性を持ってしまった原点を調査してみよう!


     よしきた!

     そんじゃ〜ちょっくら。。。



    双子いってきま〜す!

      (バサバサッ!!)

     ワンワンッ!
    (なんか危険なニオイがするから付いて行くっス!!


化け猫ロッキーあらわる!



    サー:こうしてボクたち、

    ウー:タケルが保育園の頃の記憶に――

    双子:――到着!

     クンクン。。。


     サーチもついて来たね。
     それじゃぁ今回の目標を説明するよ。

     今回の目標はズバリ、物作りをする人としてのタケルのスタート地点を記録すること。そうやって自分の原点を振り返りながら紹介も交えて記憶をアーカイブをしていこう。


     了解したわ。
     タケルは不思議な人だと思われがちだから、ここで自分の思い出を記録してオープンしておいた方がプラスになってバランスが取れると思う。

     それにこれから作品を見たり聞いたりするときの手助けになってくれると嬉しいもんね。


     うん。
     それじゃぁさっそくアーカイブをスタートしよう。

     サーチ、まずは保育園の写真を持って来ておくれ!


     だけどタケルが自分の大切な思い出を話せるようになったのはどんな心境の変化があったのかな?


     。。。そうねぇ、人生というものに優先順位があるとしたら、それをみんなに見せても良いという時期になった証なのかもしれないわね。
     人が年を重ねるということは、大切なものが増えていくということ。散らかった部屋の片付けをするように、人はときに自分の思い出を整理してスッキリした気持ちで前に進みたいときだってあるのよ。


     それが今だっていうことなのかな。

     あ、サーチが帰ってきた。
     おかえり〜。





    サーチ:ク〜ン、、

    サー:一体どうしたんだい?サーチ、写真はこれで間違いないんだよ。

    ウー:なんだかさっきから怯えているような気がするわ。

    ????:ぇニャ〜。。。

    双子ん?

    ????:だからさっきから言ってるだろ〜がこの――

    双子!?!?




    ????バカニャロ〜が!!

     そんでもってオレさま参上!!

     いい加減、前から言いたかったことを言わせてもらうぜ。

     あんまりキツくくわえられると痛ぇんだよ!
     もう少し優しくくわえんかいおミャ〜らぁ!!



    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・

    サー:、、な、なんで写真がしゃべりながら変身して――

    ウー:――シ、シャム猫になっちゃうわけ、、、

     それを説明する前にまずは自己紹介からはじめるぜ。

     オレの名前はロッキー
     おミャ〜らの主人と昔一緒に暮らしていたネコだ。

     名前の由来はボクシングの映画『ロッキー』からきたってことになっている。
     だけど実際のところはホラー・ミュージカル舞台劇が原作の映画『ロッキー・ホラー・ショー』からきているってことはここだけの秘密にしておいてくれ。

     で、まずはさっきからオレの気配を嗅ぎ付けていた優秀なそこのイヌ。オレの写真を検索して貼り付けるんだ。


    ロッキー:よし。この写真はオレが飼われた直後のものだ。もう13〜4年前になるかな。
     当時、貰い手がなかったオレはそのままだったら処分されていたか捨て猫コースの人生を歩んでいた子ネコだった……

    (※全部実話です)


     それからタケルが引き取り手になって飼われることになったってわけだね。


     そう! そこからオレの人生は変わった!

     毎日寝たり、遊んだり、食ったり、飲んだり、フラフラと出かけてまた寝たり。。。

     そしてタケルの生きざまも変わった!!

     オレの生きざまが思春期のタケルに大きな影響を与えたってわけだ!
     これこそがおミャ〜らの探していた答えさ。アイツの習性の原因はネコであるこのオレから来ていたってわけ。すまねぇが今日のはなしはこんで終わっちまったなぁ!!

    (※ネコは基本的に自分を中心に考える生き物です)


     キ、キミの登場によって習性の原因の半分くらいはわかった。だけど今のような物作りの仕方をする原点となった出来事はまだ突き止めてはいない。


     そうよ。
     せっかくサーチが写真を持って来てくれたのに、アンタが台無しにしちゃったせいで先に進めなくなっちゃったじゃない。


     バカニャロ〜どもめ。
     さっきの質問に答えてやる。どうして写真がしゃべって変身してオレになったかの答え。

     それはオレが化け猫だから。

     ようするにおミャ〜らが今まで運んでいた画像はぜ〜んぶオレが化けてたもんだったんだよ!!


     (ってことは、オイラって今までネコをくわえながらアッチコッチ走っていたんですか。。。


     サーチだったか?
     この体は実態のない幽霊のような存在だからそんなクサいもんだと思わんでくれ。
     オレはおミャ〜のように検索することはできないけれど、タケルの記憶に関することなら何にだって変身できる能力を持っているんだぜ。


     つまり、ロッキーはタケルの記憶を具現化できるネコってことなのね。


     ホント、おミャ〜らはニワトリのように学習しない生き物なんだな〜。
     オレはこのwebサイトができてからず〜っと画面の中に存在していたんだぜ。画像だけじゃなくって未完文楽団を構築するすべてのドットから文章にいたるまで、このオレが変身したもんだったと言っても過言ではない。

    (※ネコは基本的に自分を中心に考える生き物です2)


     。。。ってことはなんかこの家がちょっぴりもふもふしていたのも、やたら癒やされる感じがしていたのもアナタのおかげだったの!?


     そんなふうに言われるとなんか照れるにゃ〜。
     まぁ、そう見ればそうなるし、地縛霊と言えば地縛霊っていうだけのはなしだし、、、

     気分が良ければ音声ファイルに変身したりするぜぇ〜。



    ウー:あらあら、なんともカワイイ仲間が増えちゃったってわけね。

    サー:(ガクガクぶるぶる、、、

    ウー:どうしたのサーぼぉ? そんな小刻みに震えちゃって。

    サー:ウ、ウーノにはこの意味がわからないのか、、、。

    ウー:、、、ど、どういうことよ?

     つ、つまりだね、タケルがネコの方が好きだってことは前にも聞いたよね。
     これ、今ネコが登場したってことはさ、ボクらタケルから役に立っていないって思われてるんじゃないかな?


     そ、それってつまりその。。。アタシたちの出番がロッキーに取られちゃうってこと!?


     それだけならまだしも、確か「――しょーもないことばっかり書いてたら速やかに巣を撤去して猫を飼うことにするので気をつけてネ」って言っていたような。。。


     てぇことはアタシたち、この仕事が終わったらもう未完文楽団の巣から出ていかなくちゃいけないってことなの!?


     ク〜ン、、、。
    (ニオイの原因はこれだったんですね、、、)


     ・・・・・・・・


     まっ、そういうこった。

     タケルとオレとの愛と絆は死んでもこんなくらい深いから、おミャ〜らの付け入る隙なんてなかったってことだよ。

     そんじゃぁ〜まぁ、、、これからおミャ〜ら二人で最後の仕事をがんばってくれ。



    ウー:・・・・・・・・・

    サー:・・・・・・・・・

    ウー:、、ど、どうしよう。アタシたちこれでクビになっちゃうみたいだけど、、、

    サー:どうもこうもないよ、ウーノ――

     ――最後の最後まで、ボクらはボクらの仕事をまっとうしようじゃないか!!


     ・・・・・・・・


     それじゃぁ、今後主役を張るオレとサーチの二匹を上手く使って紹介してやってくれ。


     ク〜ン。。。



    サー:悲しまないでよサーチ。これは自業自得ってやつさ。

    ウー:そうよ。それじゃぁサーチ&ロッキー、さっそく仕事をはじめるわよ。

    サー:タケルの創作の原点の、

    ウー:記憶のアーカイブーー

    双子――スタート!!






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