多元の虹


    たった一つを求めるために 瞳に映らぬ虹の夢
    それは二元で見つめるゆえに ここには架からぬ空の上
    白か黒かの世界の果てに真理へ繋がる橋はない

    流れ続ける血を見ぬために 善と悪とに隔ててしまい
    自分以外の味方を敵とし 傷から流れる色など見ない
    互いの痛みを認めぬ限り赤い雨なら止まらない

    輝く地平の橙色の 暮れる天地をこの手に抱き
    あの地で構える悪魔の笑顔と 会うことないよと挨拶交わし
    それを眺める女神の微笑を逃さぬようにと進みたい

    昼夜を廻るあの陽と月とも こうして出会って黄金を浴びて
    暗く明るくめぐれる世界の 視界を受け止めこの身に抱いて
    浮いては沈みの月日を何度も乗り越え光を目指したい

    そうして目覚める草木と共に 水を飲み込み命を蒔いて
    知恵ある緑と生死に循じ 空気を生みだし枯れては咲いて
    また散るようにと揺れるがままにと風を感じて流れて舞って

    境も持たずに広がる空に 飛び立ち上がれば必ず分かる
    果てまで続ける無限に近い 青の彼方にもうじき架かる
    想いを繋げる心の中に隔てるものなど何がある

    小さな大人は子供にさえも 数字で優劣つけたがる
    貧しき気持ちに意味などないと 物で勝敗つけたがる
    見上げて広がる大きな藍をあるまま抱けば分かるのに

    二つに枠組み択一しても 偏り一つが崩れるならば
    あらゆる種類の想いの色を 互いの場所から射し出しながら
    理解の橋を築けばよいと残りの紫手に取りながら

    自分以外の他の誰かと 繋がり合うため言葉をかけて
    褪せることなき優しき色を 頭に描いて笑顔の果てで
    手をとり会うため調和の虹よ心に広がる空へと架かれ



    【voice】

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