言葉というのは精子のように 心という名の卵子に届き
命に等しい記憶を生みだす誰もが使える愛し方
新たな命を生みだすためにも ぼくらは誰かを愛するように
記憶を残して生きてくためにもぼくらは誰かと話をしあい
互いの頭で描いた言葉が 口から放たれ耳へと伝い
互いの頭へ入った言葉が想いに変わって心を伝う
何千何万交わした言葉が 頭を泳いで心を目指し
一つの命の記憶を生むためあらゆる想いがせめぎを競い
何千何万重なる言葉が 頭の周りで消えてく中で
唯一心に届いた想いが受精を果たせば記憶に変わり
形を持たない赤子を宿した 頭の中へと住みつきながら
形の変わらぬあの日の誰かや何かを映して生きていく
他人の情報ばかりに流され 自分の意見を持てないままに
他人の話題で話をしてても記憶は早死にするだけだから
自分の想いで愛して生むから 我が子は大事に思えるように
自分の言葉で話をしないと記憶も大事に残せぬならば
誰かが流した言葉に頼らず 相手をよく見て心を込めて
自分の想いを言葉に出せればそれすら愛だと呼べるから
【voice】