太陽の子供たち


    ぼくは死んでゆく
    この暗闇に心奪われ狂わされ
    昨日の夜に怯え病み死んでゆく
    なぜならこの闇だけではあまりに儚すぎるから


    その大きな両の眼はまるで太陽のようで
    絶え間なく光を降り注いでくれるから
    月を遮る雨雲も
    夜陰に巣食う暗然も
    和らぐように雲散し
    綾なす光色は全てを露に映しだす
    だからこそ今日もまだ死なずにすむ
    それだけで今日もまた生きてゆける

    この鋭く細い両の眼はまるで月のようで
    止む事なく闇を照らし続けるはずなのに
    陽を繋ぐ天原も
    朝霧の外で微笑む安寧も
    頑なに閉ざすこの暗幕で見失い
    過つ陰影が時を止め朔の悪夢を繰り返す
    だからこそ君のことが必要だった
    それだけがぼくの希望だった


    陽を拒む月さながらに
    ぼくは君のことを疑って
    光を直視できない人さながらに
    ぼくは君から目を逸らし続けた
    病み塞ぎ徒なす無力なこの瞳
    傷つけるしか術を持たない月の刃
    病み輝き婀娜めくその瞳
    穿つ黒点にも耐え守ってくれた太陽の鞘

    この狂気の月に巣食う化け物を打ち滅ぼし
    生命の声でぼくを救ってくれたのは紛れもなく君のその光
    今、ぼくは確かにその太陽を失ってしまったけれど
    残されたこの光で闇夜を照らし今は耐え忍び
    永い闇を乗り越えまた新たな暁光を迎え入れよう
    けれど昨日の陽の光をぼくは永遠に忘れない
    次こそは同じ過ちを繰り返すまいと固く胸に刻みつつ
    まるで子供のように今日もまた日の光に手を差し伸べて


    そう、ぼくたちは生きていく
    昼は日の光を受け止め地を踏み今確かに歩みながら
    夜は月の光をも背負い天を仰ぎ今確かに夢みながら
    光り輝くこの地球のどこかで強く儚く今確かに生きていく



    男性v   女性v

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    fin

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