夢見る楽園 〜はなむけの詩


    歌い疲れた命が眠り ようやくこの地は静まり返る
    星が瞬き眼をこすり 月も大きなあくびをしてて
    大地の大きないびきの上で風がうとうと流れてる

    すでに草木や花や実たちは 明日の光に備えて寝てる
    そんな宿屋に集まり騒ぐ 小さな虫は夜更かししてて
    ぼくたち以外の命はみんな歌い疲れて眠ってく

    ぼくもそろそろみんなのように 自分の棲み処で眠りに就くよ
    不眠不休で働けるのは 完全無欠のあの方だけさ
    「不完全なる君らはせいぜい仲良く夢みて生きてけ」だとさ


    君もそろそろこの楽園から 自分の世界へ帰らなくっちゃ
    覚めない夢などどこにもないのは それはぼくらが生きてくためさ
    明るいばかりの世界はきっと理想郷とは言えないみたい

    すべてのものには終わりがあるのも それには命があるからこそさ
    そして、不滅のこの地でさえも それは等しく言えること
    それならどうして不滅と言うかを最後に伝えて残しておこう

    なぜなら夜とは来るべくして来る すごく自然な事ってことさ
    それを今ある悩みに変えたり 沈み悲しみ傷付くことや
    死という終わりに変えたとしてもそれは避けては通れぬように


    ぼくらはこの世で生きてる限り 誰しも必ず闇を見る
    けれども明けない夜などないと それすら自然の一部と知れば
    求めるあの陽は必ず昇る、その身の闇から逃げない限り

    泣いた分だけ笑っていれる 迷った分だけ道理がわかる
    影の分だけ光がみえる それなら自ら影すら愛し
    今ある世界も自分の内から変えてゆければそれこそまさに・・・

    ・・・さぁ、もう時間だ、話は終わり 君とはここらでさよならしよう
    この楽園はもうすぐ閉じる ぼくがこの地で眠ると共に
    それじゃぁおやすみ、夢みた友よ、いつかどこかでまた会う日まで!



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