不死鳥の詩


    これから羽ばたく大きな翼は 儚い殻ほど綺麗になれる
    想像力から生まれる卵に 孵化する前から願いを込めて
    想いを巡らせ言葉を浮かべて新たな命に名を付ける

    ここから生まれる可愛い子供は 苦しいからこそ愛しく思う
    ひび割れさえをも恐れる日々を この手で抱きしめ温めながら
    大事に磨いたこの魂の卵を眺めて雛を待とう

    ほら見て、この身に亀裂が入って 小さな体がだんだん見える
    始めてこの子が囀る言葉は やっぱり自分の願望ばかり
    いつかは誰かを救えるくらいの高みへ飛ぶよう育てていこう

    これからこの子は誰かの心へ 言葉を伝ってどんどん昇る
    見知らぬその巣で歌声響かせ 想いを伝えて自由に鳴いて
    檻なき世界を叶えるためにも音なき調べを奏でていこう

    この手を離れた不滅の鳥が 命の火を帯び心を翔ける
    例え言葉の無力によって その身で朽ち果て消えたとしても
    理解の火を取り灰へとかざせばその手で不滅が掴めるだろう



    【voice】

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