十人十色


    どれだけ待っても芽なんて出ない いつまで経っても見えない未来
    今年も季節は変わってきたけど いくつになっても変われずじまい
    暗くて冷たい土へと埋もれる芽が出ぬ一つの種がある

    自分の殻すら破りもしないで 根もない葉もない噂を並べ
    ここから心の底から外へと 行こうとしないで地底の中で
    自分の世界を一歩も出ないで夢見てばかりの人がいる


    根なしの草へとなるのを恐れて 隣の芝生も青いと言って
    時代のカラーに合わせていたって 本当の自分になれないみたい
    男は狂わず女は乱れず氏名や年齢、住所を問わず

    誰しもかれしも誰かと何かと 比べることなく蕾を抱いて
    周囲の温度に合わせてみたって 一生、自分の出番は来ない
    春でも夏でも秋でも冬でもいつでもどこでも夢は咲く


    よくある野に咲く花々さながら 名もなく景色を彩りながら
    大きくなくても小さな花でも いつでもこの世に咲かせていてよ
    自分の気持ちを閉ざしていないで色んな蕾を開いてみせて

    ひとりに一つの命のその色 十人いたなら十人十色
    人間誰しも千変万化の 人生彩る億もの花よ
    自分の世界をみんなで開けば自由な世界は咲き誇る



    【voice】

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