第01回.未完コンパス 《前編》


タケル(竹馬)と未完文楽団(未完)の方位を示すコンパニー。
略して未完コンパス。今回のテーマは『意思表示』。その第1回目が開かれるってさ!

未完コンパスって?



    ウー:サー帽。やったね。。

    サー:あぁ、嬉しいよね。。

    ウー:今日でアタシたち――

    サー:自由なコーナーを――


    双子もちました!


    サー:ボクらがなんとかデモの記事を書いたからさ、タケルが『NOTE STORY』っていう名前のコーナーを与えてくれたんだよね。

    ウー:ノートストーリー。略してノートリーってネ。まったく、どこぞの会社や組織にも見習って欲しいわよ。このスピーディーな対応と働く者のモチベーションを高める反応力や反映力を!

    サー:いや、まぁぶっちゃけタケルの脳内がそうしたいってだけだから別にたいしたことはないんだけ・・・


    ウーとりあえず一発!
    ◀【祝砲

    サーどぅおぉおおお!

     うぅ。。まぁ、タケルってこうやって自由とか遊びの要素を取り込んでさ、自分のペースでやれるスペースをつくった方がリズムがよくなったりパワーを発揮できるタイプだから――


     ――いいことなのよね。タケルってさ、組織に属したり集団の中にいるとパッタリ元気がなくなったり力を発揮できなくなる人なのよね。


     そう。だから本当に何かを学ぶために学校を辞めたり、何かの役に立つために1人になったりするのが好きなんだけど・・・。


     そんなの普通の人にはわかってもらえないし、そんなんじゃぁ世間一般では通用しないのよねぇ。


     タケルは周りの空気を読むことも破ることもあるけどさ、けれどもそれが自分や自分以外の物事を腐らせる雰囲気だって察知したら迷わずそこから羽ばたいていく人でもあるんだよね。


     ほんと、渡り鳥のような人なのよねぇ。

     ところでアタシたちも渡り鳥でさ、地球の風景や磁場のようなものを読感(どっかん)しながら飛んでるんだけど、今回のこの未完コンパスってなんなの?
     あのS極とN極のコンパスのこと?


  •  その通り。

     想像しやすいように探した画像を貼っておくよ。

     ニュアンスとしてはボク(N極)とウーノ(S極)がグルグルやりとりしあってさ、タケルとこのホームページの方位を示していくコンパ会みたいなもんさ。

     コンパっていうとなんか軽い気がするし、会議っていうとなんか眠くなっちゃう気がするからコンパスっていう名称にしたよ。

     どうかな?



    ウー:どうっていうかあのさぁ、説明はわかりやすくていいんだけど画像が間違っているんですけどぉ・・・

    サー:え、あれ。あ、これ図面に円を描くときのコンパスだった。おかしいな!?

    ウー:サー帽は昔っから探し物とか苦手よね。アタシのように感じたりしないからイメージする力が衰えているんじゃない?

    サー:そ、そうかもしれない。。。

    ウー:まったくダメな左脳鳥ね。これからアタシがホンモンの探しモンってやつを教えてやるわ。いくわよ〜、正しいコンパスってのは――

     ――これよ!
    (キリッ!)

     ようするにアタシたちがディスカッションをすることによって今の自分の気持ちや今後の方向性を表していくコーナーがこの未完コンパスってわけね!!



    サー:・・・ウーノ。キミの感じたことはとっても率直でいいよ。けどさ、キミが探してきた画像もコンパスじゃないよね。っていうかこの画像ってコンパスじゃなくて『こんにゃく』だよね。ボクのミスよりひどくね!?

    ウー:あ、あ〜らごめんあそばせ〜。。。い、いやさ、実はアタシもこういう探し物って得意じゃないのよ。。。

    サー:はぁ。。。詩を書くときにいろんな言葉が浮ぶのは知性でそれをつなげたり韻を踏むのは感性の仕事だけどさ、どうやらボクたち二人揃って検索向きではないようだね。。。

    ウー:そうねぇ。。。あ、あれ。サー帽の足下になんか紙が落ちているわ。それってひょっとしてアタシたちが探していたコンパスの画像じゃないの?

  •  ・・・あ!
     ・・・本当だ!

     なんてラッキーなんだろう。これでようやくちゃんとしたコンパスの画像を貼れるよ。

     だけどそうこうしている内に説明は終わっちゃったね。

     さっきウーノが言ったように、今の自分の気持ちや今後の色んなことの方向性を可視化していく意思表示のコーナー。それが未完コンパスなんだ。


     ちょっと待って。しょっぱなから話の角を折るようで悪いんだけど、今の自分の気持ちを表すなら詩という表現で十分でしょ。
     わかりづらいとかむつかしいっていうのはこれから改善するんだけどさ、それでもそれが自分の本当の姿なんだからそれ以外の表現手段を使う必要があるの?


     あぁ、タケルが自分を活かす表現手段は詩だよ。けど今回のこれは180℃違う。詩というものはタケルがつくった考え方の結晶のようなもの。ある意味それはもう手の加えようのないものなんだ。
     それが『結果の表示』だとしたらここでやりたいのは『過程の表示』。ここではタケルが今まさに考えていることや素直な気持ちを自由に表していきたいんだよ。


     例えば詩が宝石のような固体を鑑賞して何かを感じてもらうものだとするわ。だったらここで表現するものは今ボヤ〜っと浮かんでいる気体を掴まえて綿菓子(わたがし)のようにして食べてもらったり、これから「こうしたい」っていうココロの流れの液体を飲んでもらいたいっていうことなのね。

     それはわかったわ。

     じゃぁ、なんでそれをここでしようとするわけ?


     それはね、タケルがインターネットを使う立場として有意義と考えたことの中に『プロセスの発信』があったからだよ。

     テレビはテレビ局が編集した情報が構成通りに流されるメディア。テレビの関係者が制作した番組プログラムを見ることができる。それは一方通行の情報発信装置のようなもの。

     今はこうやってインターネットでも情報を得られる時代になった。このメディアの長所は個人が興味のある情報を検索し、その情報をピンポイントで受けとることができるところ。それから個人が情報を発信することも可能となり、送信者と受信者が互いの意見交換をしあえるようになったところ。


     中には人を誹謗中傷したり、知らなきゃよかったって思うことまであったり。人の悪意ってやつを見せつけられることも多いけどね。


     そういうのは触れなかったりスルーすればいいよ。そんなこんなの情報が入り混ざるインターネットの中で思ったのはさ、

    「○月○日に○○が発売される」
    「○○で○○を買うことができる」
    「○○に行った感想は○○だった」


     っていう情報も有意義で大切なんだけど、

    「○○さんは今○○のことをこう考えている」とか
    「○○の場所では今○○が○○を求めている」とか
    「○○をするには○○が○○ほど必要になる」とかさ、


     今のことや少し先のことに関する対話や対談、誰かや何かを求めている人の情報が役立っていたんだよね。


     なるほど。だから自分もそのプロセスってやつをオープンにしていこうってことかしら。
     またなんでそんなしちめんどくさいことをするのよ。


     今まで単なるコミュニケーションの手段だった言葉や会話っていうものがさ、インターネットで表現されるようになったらまた違った価値を持つんだなってタケルは思ったんだ。
     言葉で表現する人にとってそこんところは捨て置くには惜しいと感じるものがあったみたいだよ。


     なんていうかこぉ、モノゴトの告知や結果だけでは伝えきれない『気付き』の部分もシェアしていきたいって感じ?


     そうそう、そんな感じ。
     いかにもタケルっぽいアプローチの仕方でしょ。


     ホントね。石ころを本気で金銀財宝にしようとしていたアレみたい。ほら、マンガのタイトルにもなったアレよ。名前が思い出せないわ。


     アレってなに?
     なんか気になって先に進めないじゃないか。
     解説でも画像でもいいからペタッと貼ってスッキリさせてよ!


     それができれば苦労しないわよ。。。

     。。。ってあれ?

     なんで?
     いつの間にかアタシの探していた画像が貼ってあるわ!?


     それだけじゃないよ。貼られたプリントの下にはウーノが探していた画像の名前と紹介文まで書かれているよ。見てごらん。

    れんきんじゅつ【錬金術】
     紀元1世紀ごろ以前にエジプトに始まり、アラビアを経てヨーロッパに広がった、卑金属を貴金属の金に変えようとする化学技術。さらに不老不死の仙薬を得ることができるとされ、呪術(じゅじゅつ)的性格をもった。科学としては誤りであったが、多くの化学的知識が蓄積され、近代化学成立の基礎資料となった。アルケミー。


     検索されたデータがパパッとまとめて貼られているけれど、一体誰がこんなことを・・・


     んっ、犬っ?

     ちょ、ちょっと待った。
     まさかキミがこのデータを探してきてくれたの?



    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・


    双子えぇえっ!?






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