誕生、ノートリー兄妹!


ある日、ふらっと未完文楽団に巣をつくった双子の鳥・ノートリー兄妹。
白い不死鳥のサーと黒い不死鳥のウー。この2羽がきみのために自分を紹介したいってさ!

ボクとアタシはサーとウー


    未完文楽団をご覧のみなさん。
    はじめまして。
    ボクの名前はサー・ノートリー


     アタシの名前はウー・ノートリー



    双子:ふたりそろって


    サーノートリー
       ブラザーズ!


    ウーノートリー
       シスターズ!


    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・


    サー:はっ?

    ウー:ハァ!?


    サー:ウーノ。最初がかんじんだから言っておくけどさ、双子の兄はボクだと思うんだよね。

    ウー:なに言ってるのよ。たまたま巣がトンガリ付きだからってお兄さんぶらないでよ。お姉さんは間違いなくアタシよ。ア・タ・シ。

    【注:二羽の巣は『今日のカキタシ』の『今(サーの巣)』と『日(ウーの巣)』である】

    サー:ふーん。それじゃぁさ、ここは平和的にいこうよ。ボクらのパパありママでもあるタケル(竹馬)に直接聞こうじゃないか。ボクらのどっちが先に折られて生まれたのか!

    ウー:いいわね。さすがにサー帽はハトの血の濃い不死鳥って感じ。わかったわ。白黒ハッキリ付けようじゃないの。それじゃぁいくわよ……


    サー:……タケルや

    ウー:タケル……

    双子:教えたまえ!

    サー:ボクたちは……

    ウー:アタシたちは……

    双子:どちらが先に生まれてきたのでしょうか!?


    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・

    「どっちを先に折ったかなんて忘れちゃった」ってさ……



    ……たぶんそうだろうと思っていたわ。肌の色的にはとっくに白黒ついているから、若く見られるってことで妹でいいわ。自己紹介を続けましょう。


     あぁ。ボクたちノートリー兄妹は未完文楽団ノートの切れ端から生まれた双子の鳥。タケルはハトだのカラスだのって言っているけれど、ボクたちは再生紙から生まれた不死鳥なんだ。


     名前の由来は『ノート』でつくった『鳥』。だからノートリー。アタシは画面の右側を担当するからウー(右)。左の白いハトは左側を担当するからサー(左)って覚えるとわかりやすいわね。

     だからさ、ハトじゃなくって不死鳥だって言ってるじゃないか。どうしたらボクが不死鳥だってわかってもらえるのかな……


    ウー:これでどうかしら?
    ロケット弾

    サー:ギャーーーー!!


    サー:ちょっ、なっ、い、痛いじゃないか!

    ウー:そう。普通の折り紙の鳥ならロケット弾をくらったらバラバラになって散っちゃう。けれどもサー帽は痛いですんじゃった。これでアタシたちが不死鳥ってことが証明されたわけじゃない?

    サー:いや、あぁ、うん。なんか納得いかないところもあるけれど、見てくれている人にそれが伝わったのならそれでいいや。ところでなんでウーノだけそんな飛び道具を使えるわけ?

    ウー:これはアタシが鵜(う)の血を色濃く継いでいるせいね。ほら、鵜って呑み込んだ魚を吐きだすのが得意じゃない。それと同じようにアタシもお腹の中に好きなモノを詰め込んで好きなときに吐きだすことができるのよ。ウーっていう名前は鵜だからっていう意味もあるとかないとか。

    サー:あ、だからお腹がちょっとポッコリしているんだ。


    ウー:失礼ね!!
    ロケットパンチ

    サー:ごべんなざーい!!

ふたりのお仕事


     ところでなによ、この上のタイトル。これじゃぁまるでアタシたちが「働きますよ」って言われているようなものじゃない。

     ウーノ、ボクたちはこの未完文楽団っていうホームページに巣をつくって暮らしている。言うなればタケルの管理するアパートに住んでいるようなもの。だからそのぶんだけ何かしらの役に立たなくちゃ巣から追い出されてしまうんだ。

     ヤダ、世知辛い世の中ね。そもそもタケルって鳥より猫の方が好きって噂があるじゃない。アタシたちのタケルとはいえアタシたちにはアタシたちの生活があるのよ。
     飛んで、歌って、食って、寝て。飛んで、歌って、食って、寝る。この暮らしを変えようからにはそれなりの愛情を示してもらわないとやる気がわかないわ。

    その通りさ。さっそくタケルに聞いてみよう。
    タケルは鳥か猫、どっちの方が好きなのだろうか。
    それじゃぁいくよ……


    サー:……タケルや

    ウー:タケル……

    双子:教えたまえ!

    サー:タケルは鳥か……

    ウー:猫か……

    双子:どちらが好きなのでしょうか!?


    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・

    「猫にきまっているだろう」だってさ……

    ……ひどい。ひどすぎる。嘘でもいいから鳥の方が好きだって、鶏肉扱いでもいいからそう言ってほしいのに。
     あ、ちょっと待って。
     なになに「ただし、鳥がふたりで何かの役に立った場合ー―」

    「――ぐーたれな猫一匹に勝る」ってこれ……

    ……タケルの愛情表現よ!
     アタシたちがふたりで何かの役に立てばそこが庭だろうと裏庭だろうとニワトリだろうと猫に勝てるってことよ!


    ……こんな言葉はなるべく使いたくないけどさ。ウーノ、しばらくふたりでがんばらないか?

    ……えぇ。めんどくさいことはイヤだけど、ちょっとは働いてみようじゃないの。
     ところでアタシたち、どこでなにをどうがんばればいいの?

     それは仕事が回ってくればわかると思う。たぶんボクらが向かいあって右と左に分かれているってことは、ふたりで話しあってほしいっていうことじゃないのかな。
     最後にもう一度、タケルに聞いてみようか?

     オッケー。それじゃぁいくわよ……


    サー:……タケルや

    ウー:タケル……

    双子:教えたまえ!

    サー:ボクたちはどこで……

    ウー:なにをすれば……

    双子:よいのでしょうか!?


    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・

    「ふたりでストーリーのコーナーを担当してほしい。なんだったら部屋の名前もノートリーにしたっていい――」

    「――その部屋の中で自由に飛んだり、鳴いたり、食ったり、寝たりすればいい。わたしの右脳と左脳の中をウーとサーのふたりでおもしろおかしく引き出してほしい――」

    「今これよりふたりにはわたしの記憶の書記となってもらい、その羽根ペンを使って記録をする仕事を与えていく――」

    「――しょーもないことばっかり書いてたら速やかに巣を撤去して猫を飼うことにするので気をつけてネ」ですって。おもしろくなってきたじゃないの。

     あぁ、どんな仕事が回ってくるのか楽しみだね。そんなこんなでみなさん、これからお世話になるのでよろしく。

     よろしくね。それじゃぁ今度こそちゃんといくわよ。

    ボクの名前はサー・ノートリー。

    アタシの名前はウー・ノートリー。


    双子:ふたりそろって


    サーノートリー
       ブラザーズ!


    ウーノートリー
       シスターズ!


    サー:・・・・・・・・・

    ウー:・・・・・・・・・


    ウー間違えんなよ!!
    小隕石

    サー(おまえもだろ!!)


    サー:そんな――

    ウー:――こんなで、

    双子:ノートリー兄妹を〜〜っ


    双子よろしく!!







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